COOLに行きましょう 熱解析(熱データ取得試験)
熱解析は、KIROBOが宇宙ステーションの中で、熱くなり過ぎないかをチェックするために行われました。熱データ取得試験は、その熱解析に必要なデータを事前にシミュレーションするものです。
地球上では、常に空気が流れています。「物質が冷える」現象は、空気の流れが影響しています。熱い物質の周りの空気は暖められて軽くなり上昇します。代わりに新しい空気が物質の周りに流れこむことによって、物質は冷やされていくのです。
しかし無重力状態だと、このような空気の流れが起こりません。熱くなったら、熱いまま。温度が上昇する物質は、上昇し続けてしまいます。
そこで宇宙ステーションの中は、人工的に空気の流れをわずかに作り出していますが、それによって十分に排熱できないと、最悪の場合KIROBOの部品が焼損してしまいます。また、表面温度が規定値を超えてしまう可能性もあります。宇宙ステーションでは、宇宙飛行士の安全確保の為に、上限表面温度がルールで定められていて、KIROBOの場合は最高でも摂氏49度以下に保たなければなりません。
熱データ取得試験を行い、その結果をもとに熱解析を実施した結果、KIROBOの表面温度は規定内の47度となり、宇宙でも安全にミッションをこなせることが確認されました。