KIROBOに地球を見せるための「+2.5ボルト」 電圧降下試験
宇宙ステーションへバッテリーを持ち込むには様々な制約があるため、電源系のコードがどうしても必要になります。 宇宙ステーションとKIROBOをコードでつないで電気を流した際に、「電圧がどれくらい下がってしまうか」をチェックするのが電圧降下試験です。電気を流すとき、その距離が離れれば離れるほど、電圧は低下していきます。これは宇宙に限らない電気の特性。地球の一般的な電線でも、長ければ長いほど電圧は下がる可能性が高まります。
宇宙ステーションの窓と電源の距離は6メートル。KIROBOが窓まで行くためには、合計6メートルのコードの電圧降下試験が必要でした。「KIROBOに、地球を見せてやりたい」、それは開発スタッフ皆の希望です。
6メートルのコードに5ボルトの電気を流すと、KIROBOに届く電圧は4.1ボルトに下がることが分かりました。KIROBOが動作するのに必要な電圧は5ボルト。余裕を保つために、供給電圧を7.5ボルトにまで引き上げたのです。この2.5ボルトで、KIROBOの目に映った地球を、皆さんにも見て頂けることになりました。